お祝儀袋は、名前を書いてお金を入れればいいだけ、と思っていませんか? 表書きはもちろん、中袋の金額の書き方、連名の場合は人数や関係性によって書き方にルールがあることなどはご存知でしょうか?
今回は基本的なルールから、連名での書き方まで、詳しくご紹介します。
表書きのマナー
最近、上書きは印刷されていることが多いですが、書かれていなければ、水引の結び目の中央上の部分に「寿」・「御結婚御祝」・「御祝」と書きます。
① 苗字だけでなく、フルネームで姓と名前を書く。
水引の結び目の中央より下に、氏名を書きます。名前の書き始めが上過ぎて水引にかからないように気を付けましょう。
袋の大きさや水引とのバランスを考えます。寿の文字よりやや小さめに書くと綺麗に見えます。
② 基本は黒の毛筆で書く。
筆か、筆ペンかで書きましょう。ボールペンはマナー違反です。また、墨の色が薄いと不祝儀用になってしまって縁起が良くないため、必ず濃い黒になるように気を付けましょう。どうしても筆が苦手だという方は、サインペンでも大丈夫です。
また、有料ですがデパートや通販では代筆サービスもありますが、うまく書けなくても、心を込めて一文字一文字書けば気持ちが伝わりますよ。
中袋(中包み)の書き方
中袋がついていない場合は、半紙か奉書紙にお金を包みます。中袋の表面・裏面ともにボールペンはNGです。筆が望ましいですが、苦手な場合はサインペンでも大丈夫です。
◆中袋の表面
中央に縦書きで、例えば三万円であれば「金参萬円」といったふうに、漢数字の金額を書きます。「金」という文字と、金額は少しだけ離して書きます。正式なマナーは旧字体ですが、略式でも構いません。円も「圓」という表記にされる場合もあります。
<旧字体の例>
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10,000円・・・ 金壱萬円 (金一万円)
20,000円・・・ 金弐萬円 (金二万円)
30,000円・・・ 金参萬円 (金三万円)
50,000円・・・ 金伍萬円 (金五万円)
ちなみに、「金壱萬円也」というように、最後に「也」をつけるかどうかは、諸説ありますが、最近ではつけなくてよいという考え方が主流になっています。
◆中袋の裏面
裏面の左下に住所と名前を書きます。郵便番号も忘れずに書きましょう。コンビニなどで購入できるご祝儀袋に同封されている中袋には、住所や氏名、金額の記入欄があらかじめ印刷されているものがあります。その場合、表面に住所や氏名、裏面に金額を書く欄が印刷されていることがありますが、その場合は記述欄のとおりに記入していただければ大丈夫です。
個人名以外の名前の書き方
◆夫婦の場合
水引の結び目の中央下やや右寄りに夫のフルネーム、その左に妻の名前を書きます。夫婦別性の場合は、右に夫のフルネーム、左に妻のフルネームを書きます。
◆会社名を記入する場合
水引の結び目の中央下やや右寄りに少し小さめの字で会社名を書き、左側に個人名を書きます。
◆2~3名で連名の場合
贈り主の中で格上(地位や役職など)、年長の順に右から左に並べて書きます。友人や同僚など同格の場合は、名前の50音順に右から左に並べて書きましょう。文字の大きさは均一にします。
◆4名以上で連名が難しい場合
代表者の氏名を中央に書き、その左側に小さめに「外一同」と書きます。贈り主全員の氏名は半紙あるいは奉書紙に書いて中袋に入れます。この場合も、名前の順番は格上(地位や役職)、年長の順、同格の場合は50音順に右から左へと並べて書きます。
お祝儀袋のお金の包み方とマナー
◎新品のお札を用意する
結婚式など慶事の場合は、新品のお札を用意します。
◎お札の向きに気を付ける(*地域で異なる場合があります)
中袋にお金を入れるときは、肖像画の面が封筒の表にくるようにし、人物が上に なるようにして入れます。お金を入れた後、中袋に糊付けなどで封をする必要はありません。
◎中袋を開いたお祝儀袋で包む
もともと折りたたまれていたものですから、折り目に沿って、元通りに折りたたみます。このとき、中袋の表面と祝儀袋の表面が、同じ方向を向くように包みましょう。
◎祝儀袋の折り返しに気を付ける
祝儀袋の裏側の折り返しは、上を先に折ってから、下側を折り、横から見たときに、下の折り返しが上を向くようにしましょう。お祝い金を包む祝儀袋の裏は、「慶びを受ける」という意味から、上向きにすることになっています。逆に、葬儀など弔事にお金を包む不祝儀袋の裏は「悲しみを流す」という意味で下向きになっています。どちらの場合も間違ってしまうと大変なマナー違反になってしまいますので、受付で渡す前にもう一度確認しておきましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか? あと、お祝儀袋を購入時のビニール袋に入れたり、バックにむき出しのまま入れて持ち歩くと、お祝儀袋が汚れたり折れてしまったりするので、気を付けましょう。ふくさに包んで持参するのが正式なマナーなので、まだ持っていないという方は、これを機会に用意しておかれるとよいでしょう。